ゆるゆるニュースウォッチ

国際、経済のニュースのを中心に感想をゆるゆると書きます。

国際報道2017 1月25日 世界へ広がるエドテック

エデュケーションとテクノロジーを組み合わせた造語エドテック。インターネットやデジタル機器が職場や家庭のあらゆる場面に浸透する中、教育にもテクノロジーの波が押し寄せている。エドテック市場は世界で6兆円規模になるとも言われいる。

 

シリコンバレーにある画像機器メーカーzSpaceが開発したVR用PC。ステレオグラフィック3Dディスプレイ、3Dスタイラス、トラッキング機能対応のステレオグラフィック用メガネで構成され実際には見えない物を手に取るように観察できる。ニューヨークの中学校では科学の授業に使用。生徒たちの学習意欲が高まり授業中の質問やクラスメートとの議論が増えたと言う。
エドテックによって特に大きな変化を遂げているのが大学の教育現場。サンフランシスコのオフィスビルにあるミネルバ大学。学生の数は300人になるがその姿が見当たらない。講師は授業を全てオンラインで行う。授業は講義はなくもっぱらディスカッション形式で進められ、それぞれの学生が何秒間どんな発言をしたかをコンピューターが記録するし、積極的でない学生には意見を述べるよう求める。他の学生が発言している間は「いいね」や絵文字でその内容を評価する決まりで授業中は集中し続けなければならない。議論を深める事により、より高度な思考を身に付けることができるという。さらにオンラインでどこからでも授業が受けられるため学生たちはキャンパスに縛られず世界各地を訪れ様々な経験をすることができる。開校から3年だが世界中から学生たちが入学を希望、ケンブリッジ大学などの名門大学を辞退して入学する学生も数多くいる。

アメリカではこのほかにも低所得者層の子供の通う高校に生徒一人一人のレベルに合った数学等の問題をコンピューターが自動で出題するシステムを導入したところ、生徒全員が大学進学の資格を取得するまで学力が伸びたと言うケースも報告されている。アメリカは国際学力調査で科学の順位が25位と先進国の中では低い。アメリカ政府はエドテックを学力アップの切り札と見て学校側に対して最新の機器の購入費を支援するなど対策に乗り出している。
一方で途上国でもエドテックの動きは広まっている。ケニアでは地元企業が貧困層の子供たちを対象に携帯電話を使ってアクセスできるオンラインの問題集を1カ月50円で提供。メールで質問できる仕組みも導入し利用者が増えている。国連も教育格差を埋める有効な手段として世界各地でエドテックを促進させる取り組みを進めている。
今後は教育のあらゆる分野に活用が広がりそう。マサチューセッツ工科大学では子供の靴や机にセンサーを入れてクラスメートや教師とどこでどのくらい過ごしたのか検索する研究が行われている。仲間外れにされている子供がいないかや教師が生徒全員に目を配っているかを確認でき授業だけでなく生徒指導にも役立てられると言う。
一方で生徒や教師を監視するものだと言う声も予想される。技術ばかりに偏りすぎると実体験を通した学びのチャンスが奪われるといった議論も。子供たちにとってより良い教育とは何か?従来の教育とのバランスも考えながら進めていく必要がありそう。と。

zSpaceのシステムはスタイラスとメガネのトラッキングを同じセンサーでやってるのかな。効率いいね。アメリカの教育向け機器は完成度が高い。日本企業じゃ絶対無理だろう。