WBS 2020年1月14日 環境負荷低減へ帆を上げる商船三井
大気中の二酸化炭素濃度は観測以来最高記録を更新し続けている。ある観測地点ではわずか31年で17%も上昇している所も。
脱炭素化を語る上で欠かすことのできない業界が輸出入品の99.7%を担う海運業界。国際海事機関は2050年までに温室効果ガスを2008年度と比べて半分に削減すると言う国際的な目標を掲げている。 何故なら船の燃料に使われる重油は原油からガソリンや灯油などを抽出した後に残った不純物が多い油で二酸化炭素を非常に多く排出するため。その対策は急務だ。
商船三井が開発を進めているのが世界初の技術を使った風で走る船。
基本的にエンジンを使うが巨大な帆でエンジンの補助を行う。追い風だけでなく翼断面を持った帆により向かい風でも前に進む事が出来る。既に幅8メートル高さ20メートルの巨大な帆の実証機が完成し試験中。
帆は風の受ける量をコンピューターが計測して自動で4段回に伸び縮みし、さらに船がより前に進むよう帆の向きを自動で回転させる。この帆を1機搭載すれば日本とオーストラリアを結ぶ航路では燃料を5%削減できると言う。今まで往復で900トンほどの重油が必要だったが45トンほど削減できる計算。帆を複数つければ本数に比例した燃費の向上が見込める。2022年中には帆がついた貨物船の実用化がスタートする予定。
環境に配慮してより多くの貨物を安全に輸送するのが、周りを海に囲まれた島国日本の海運会社の役割である。と。
素材は複合材との事。強風の時は倒せるようにしないときついかな。